中国政府が著作権法違反タレコミ用サイトをオープン

 日本でもすでに皆さんご存知のことだと思いますが、中国では全ての分野において偽造製品が氾濫しています。バッグ、鞄、腕時計などのブランド品のコピーやCD・DVDの海賊版、更には身分証や領収書など証明書の偽造まで横行しています。

 近年、特に目立つのはインターネットでの著作権違反物の氾濫です。MP3ファイル、PC用ソフトやゲームソフトのイメージファイル、書籍を丸ごとコピーした電子書籍の海賊版などが当たり前のように流通し、権利者にとっては大きな痛手となっています。

 中国のウェブで特徴的なのは、このような海賊版をコンテンツとした上でウェブサービスを成り立たせているサイトが非常に多いことです。例えば、興味のある電子書籍や音楽ファイルを介在させてユーザー間の結び付きを高めようとするSNSが存在しますが、それらのファイルは九割方海賊版です。クリス・アンダーソンの『FREE』も真っ青の状況が中国ウェブでは普通に存在するわけです。

 そのような状況が続く中、主に音楽分野となりますが、中国当局がようやくインターネット上の著作権保護に乗り出しました。

<中国文化省、百度などを処罰 音楽の違法ダウンロード :日本経済新聞 2011/4/26>
http://s.nikkei.com/hofVf2

 より詳しく書かれている、中国メディアの記事はこちら(※中国語)。

<中国音楽産業再発維権集結令 文化部将査処14網站 – 新浪科技(元ソース:中国青年報)2011/4/26 >
http://tech.sina.com.cn/i/2011-04-26/07155449577.shtml

 更に今回、中国政府の文化行政部門によって著作権法違反に関する告発を受け付けるサイトが開設されました。上記で紹介した新浪科網の記事によると、2011年4月26日から正式運用が開始されたようです。

<12318全国文化市場挙報網站>
http://www.12318.gov.cn/

12318

12318全国文化市場挙報網站

 拙訳になりますが、トップ画面の説明文を翻訳してみました。

文化市場に関連する法律法規に基づいて、12318全国文化市場挙報網站は以下の領域における違法行為の通報・告発を受け付けます。

(一)商業的なショー活動
(二)歌唱・ダンスや遊技に関する娯楽を提供する場所などにおける経営活動
(三)芸術品を取り扱う経営活動
(四)インターネット上のウェブサービスにおける営業活動
(五)インターネット上の音楽配信、オンラインゲームやインターネット上の漫画・アニメに関する文化活動
(六)文化行政部門が管理するその他の文化的経営活動

 どうやら、著作物が使用される可能性がある、インターネットを含めた全ての商業活動での告発を受け付けるようです。今後の成果に期待したいところです。

 日本ではあまり知られていないことですが、中国のウェブでは奇芸のように著作権問題をクリアした上での動画配信サービスなども存在しています。中国ウェブの一利用者として、今後も自国のみならず他国の著作権保護についても積極的に推進し、知的財産権について一人前の国になることを願ってやみません。

<奇芸>
http://qiyi.com

<ウェブ時代の著作権について知りたいならこの一冊>

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