最近、大量殺人を犯す人の動機として「もう後がなくなった。死刑になると確実に死ねるので事件を起こした」というのがあります。日本では二人以上殺せば死刑になるケースが多いです。場合によっては一人殺しても死刑判決が下りるという事例もちらほら見受けられるようになりました。
こういった犯罪者には想像力が足りないのではないかと思います。茨城の通り魔事件の犯人はあの世に行ってファンタジーの世界で魔法を使って生きるとかよくわからないことを言っているようですが、そのファンタジーの世界に地獄のような場所があったらどうなるんでしょう。この世で犯した罪業を償うためにずっと身を焼かれて苦しい思いをしたらどうするのか。また、死んだら無の世界に帰すという考え方もありますが、宇宙にはまだまだ未解明の部分が多いです。第一、「無」そのものを実際に見たり触れたりした人は皆無です。
まるで死刑をジェットコースターに乗るような感覚で捉える人間が多くなっていると思います。拘留中の待ち時間を過ごせば、確実に死ねてこの世の苦労も罪も忘れて楽になれると考えているのかもしれません。ジェットコースターの場合は乗車後の開放された気分を恐怖の余韻でもっと楽しむということが可能ですが、死んだ場合はすぐに精神が開放されるとも限らないのではないでしょうか。首が絞まり頸椎が折れる瞬間にまだ働きが解明されていない脳内物質が分泌され、見たくもない悪夢にも似た幻を永遠に近い時間見る羽目に陥ったりしたらどうするのでしょう。その時に罪の後悔を始めても手遅れです。
大量殺人が起こる理由として、このような想像力の欠如がかなりの大部分を占めるのではないかと思います。もちろん、甘えも大いに見られます。人の手をわざわざ汚れさせて「自分の自殺」を手伝ってもらおうなどというのは、傲岸不遜も甚だしいです。最近、放火や通り魔などの大量殺人事件が起こるたびに非常に腹立たしい思いがして仕方ありません。