四川語(四川話)

 1月末から二週間ほど、四川省に行って来ました。四川省は、成都・重慶(現在は直轄市ですが)などの都市があり、麻婆豆腐などの激辛料理で知られる土地です。

 日本と同様中国にも方言があります。有名なところでは香港で使われる広東語や上海の現地在住の人が使う上海語などがあります。私が四川省で聞いた四川語の特徴をいくつか紹介します。

・そり舌音がない
 中国語には舌を上の方に反らせて発音する「そり舌音」があるのですが、これは四川語にはありません。ピンインで書くと”sh”や”r”や”zh”に該当します。要するに、アール化がないということですね。
例:証明書のピンインは”zhèngmíngshū”。無理矢理日本のカナにすると「ジャンミンシュー」ですが、これが四川語では”zènmínsū”となり、「ゼンミンスー」というように聞こえます。

・”n”と”ng”の区別がない
 日本語でいうと「案内」と「案外」を発音する時、実は「ん」の音の発声時の舌の位置は違います。日本語では特に使い分けておりませんが、中国語ではこれを明確に区別します。中国語を覚える時、日本人が恐らく一番苦労するのが”n”と”ng”の使い分けではないでしょうか。しかし、四川語には”n”と”ng”の使い分けが存在しません。
例:「寒くない?」という意味の中国語「冷不冷」のピンインは”lěngbùlěng”。日本語では「ランブラン」というように聞こえますが、これが四川語では”lěnbùlěn”となり、「レンブレン」というように聞こえます。

・”hē”を”hō”と初音する
 このheの”e”の音は日本語にはない音でアとエの中間のような音になります。「飲む」という意味の動詞で「喝(hē)」というのがあり、日常的にもよく使うのですが、四川語では”hē”でなく”hō”と発音します。日本語でいうと「へえ」を「ほお」と発音するぐらいの違いがあります。
例:「酒を飲む」という意味の中国語「喝酒」のピンインは”hējiǔ”。日本語で無理矢理書くと「フアージウ」というように聞こえますが、これが「ホージウ」というように聞こえます。

・百を「ベイ」と発音する
 百を意味する中国語”bǎi(バイ)”を”běi(ベイ)”と言っていました。買い物の時に一瞬とまどってしまいました。

・数字のゼロをたまに「ドン」という
 中国では普通、数字のゼロは「零(líng)」、すなわち「リン」と発音するのですが、四川語では時々「ドン」と発音します。私が聞いた中では、タクシーの運転手が同僚と無線通話する時、ナンバー0025(多分同僚の番号)を「ドンドンアーウー」というように言っていました。数字の呼び方に違いがあるなど到底日本では考えられないことなので驚きました。

・家族の呼び名が違う
 弟は普通”弟弟(dìdi)「ディーディ」”と呼びますが、四川語では「二娃(èrwá)「アーワー」”と呼ぶようです。また、父親のことは「老汉(lǎohàn)「ラオハン」”とも呼ぶようです。

・バカ!という時は「哈子」という
 中国語で「バカ」と相手を罵る時は”笨蛋(bèndàn)「ベンダン」”とか”傻瓜(shǎguā)「シャーグア」”などと言いますが、四川語では”哈子(hāzi)「ハーズ」)ということが多いようです。

・その他
 お釣りをもらう時、”二十(èrshi)「アーシ」”が「アッセイ」と聞こえたり、鍵を意味する中国語”钥匙(yàoshi)「ヤオシ」”が「ヨウセイ」と聞こえたり、同じ単語なのに全然違うように聞こえる単語がちらほらありました。

 以上、ここに書いた普通話と四川話の発音や単語の違いはまだまだほんの一部であると思われますが、皆さんもし四川省方面に行かれる時は上記の違いぐらいは心得ておくと良いと思います。

<こんなにある!中国語のスラング表現>

<これでHSK初中級の単語は完璧!>

“四川語(四川話)” への2件の返信

  1. 四川生まれ広州育ちの日中バイリンガルのものです。
    みごとな文章でした。そこ迄細かく分析できるとは、普通話もさぞお上手でしょうね。:)

  2. いえいえそんな^^ 実は妻が中国人なもので、わからない言葉はその都度説明してくれるのですね。妻と喋る時は基本的に日本語なので、中国語会話が一向に上達しません。なんとかしたいと常々思っております。読むのは自分でも結構できるようになったとは思うんですが。

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